【発達検査】ワーキングメモリーが低いとどうなるの?

発達障害と学習

皆様こんにちは 臨床心理士のみどりです

今日は 発達検査についてのお話です

発達検査にはいくつか 項目があるのですが、最近よく聞くのが ワーキングメモリ

このワーキングメモリーって一体何なのでしょうか

 
 

発達検査の結果を読んでもあんまりよくわかんないな

 
 

結局 ワーキングメモリが低いってうちの子はどういう状態なの?

今日はそんな疑問にお答えします。

ワーキングメモリとは

さて 早速ですが ワーキングメモリとは何でしょうか?

ワーキングメモリとは簡単に言うと情報を覚えて整理する能力

情報の操作力なんて言われたりもします

突然ですが、皆さんちょっと想像してみてください

あなたは飛行機に乗っています

目の前に CA (キャビンアテンダント)さんが歩いてきます

あなたの後ろの男性のお客様がお水をくださいと CA さんに言います

あなたはちょうど イヤホンがないことに気がつき、戻るCAさんにイヤホンを頼みます

そして 、今度は前の方の座席の女性のお客様が CA さんにブランケットを頼みます

さあここまで読んで あなたは誰に何を渡したらいいか覚えていますか?

 

もしかしたらもう誰に何を渡すか、忘れてしまったなんていう方もいるかもしれません。

ところが CA さん はしっかり覚えて、お水・ブランケット・イヤホンを持ってそれぞれのお客様に渡していきます。(しかも、とびきりの笑顔も添えて。)

このような光景はよく目にしますよね。

ワーキングメモリーとは 脳の機能で、このようにたくさんの情報を与えられた時に、その情報を一つ一つ覚え、かつ整理をする機能です。

CA さんは一人一人の要望を覚えて、渡す順番やどこにそのお客様がいらっしゃるのか… その情報を整理して覚えています。

水とイヤホンとブランケットね

・ブランケット/一番手前の席

・イヤホン/その次の席

・お水/後ろから2番目の席の男性

こんな風に頭の中で情報を覚え、それを整理しています。

整理する仕事もワーキングメモリー

もちろん覚える時だけではありません

例えば37+69

こんな計算をする時

7+9で1 くり上がって…それを十の位の 3+6に加えて…

こんな風に 頭で数を置いておきながら計算を進めていきますよね

この時も情報を覚えておきながら整理しています。

脳は情報を覚えながら整理するということを常にやっているのです。

授業を聞くとき 、仕事をする時 、料理をする時、 あらゆる場面で 私たちは ワーキングメモリーを使いっているのです。

このワーキングメモリーが低いとどのようなことが起こるのでしょうか?

ワーキングメモリーが低いと?

ワーキングメモリーが低いと、主に次の2つのことが起こります。

1. すぐに覚えられない

ワーキングメモリーが低いと情報のインプットが苦手で情報を多く受け取れないので、物事を覚えるのに時間がかかります。

学校では、授業で新しい事柄を学びますね。その時、それを使ってすぐに実践しますよね。

例えば、漢字、英単語、歴史や化学の用語。算数では数や計算方法など、説明されたことをその場で覚えて、実際にノートに書いて解いていきます。

ワーキングメモリーが低いと情報をたくさん保持するのが難しいので、言われたことをすぐに忘れてしまったり、最初の方や部分的にしか覚えられない…ということが起こりやすく、理解に時間がかかります。

また、勉強だけでなく、口頭での指示や、会話など、情報を覚える場面は意外とたくさんあるのです。授業だけでなく、学校生活全般で覚えづらさでストレスを抱える可能性があるのです。

2.情報の整理が苦手

ワーキングメモリーが低いと、情報をうまく整理できず、何をすればよいか混乱することがあります。

言葉が理解できないのではなく、全ての情報の重みが同じで、情報の取捨選択が難しくなるイメージです。

そのため、状況の理解や 会話の理解などに時間がかかるので、臨機応変にその場で対応しなければならない時にパニックになりやすくなります。

例えば 学校にて口頭の指示で、「みんなで走って白線の位置まで行って、 背の順に整列しましょう」こんな指示が出された時に、「何をどうするんだっけ?」とパニックになって固まってしまったりします。

頭の中には 「白線、 走る、 背の順、並ぶ」などの情報がぐるぐると回って何をどうしたらいいのかというイメージが作りづらいのです。

授業や日常生活でも、様々な場面でそのようなことが起こります。一度の指示で理解ができないのでちゃんと話を聞いていないと思われてしまったり、ふざけていると勘違いされるケースもあります。

このようなことが授業でも学習でも、いろんな場面で起こると、周りと比べてうまくできず、学校生活ではストレスを抱えやすくなってしまいますよね。

配慮を受けよう

ワーキングメモリーが低い場合、授業などで苦しくなりがちです。特性に合わせて対策を立てられたら、学校生活が楽になるかもしれません。

どんな状況でどんな風になりやすいのか? 一番最前線で見ている家庭での様子、 担任の先生や巡回の先生の観察を参考にしながら学校での配慮を相談してみましょう。

また、学習では覚え方や解き方の工夫をすることや、他の能力を活かしてうまく進む可能性があります。

いかがでしたでしょうか?

今回は知能の要素の一つ、ワーキングメモリーについてお話ししました。

お子様の特性を生かして、負担の少ない楽しい学習時間をお過ごしくださいね。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

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